「シリコーン入りヘ…
カラダの中と外から美肌&ヘアケアを考える
シャンプーソムリエこと関川忍です。
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シリコーン悪説
「シリコーン配合」と聞くと、なんとなく髪に悪いイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?
「ノンシリコン」を売りにした製品が一時期ブームになったこともあり、シリコーン=避けるべき成分という印象が定着してしまっているかと思います。
しかし、成分データを丁寧に追っていくと、この「シリコーン悪説」はかなり乱暴な表現であることを知っていますか?
今回は、トリートメントに使われる代表的なシリコーンの種類とメリット、そして「使い続けると本当に問題が起きるのか」を、できるだけエビデンスに基づいて整理してみたいと思います。
トリートメントに使われる代表的なシリコーンとそのメリット
まず大前提として、「シリコーン」という言葉は成分の固有名ではありません。
トリートメントには複数の種類のシリコーンが使われていて、それぞれに役割が異なります。
その中でもポピュラーなシリコーンな3種類についてまとめてみたいと思います。
【ジメチコン】
もっとも見かけるシリーコーンかと思いますので、トリートメントの全成分表示を確認してみてください。
原料データからは、ジメチコンは、優れた撥水性を持ち、潤滑油としての役割を果たすことで滑らかな手触りの髪を実現します。さらに毛髪表面のキューティクルをコーティングして保護する働きもあり、枝毛防止にも一役買っています。
髪表面に薄い皮膜を作ることでツヤや光沢を演出し、指通りの良さやなめらかさを与えてくれるという様な説明が書かれています。
【アモジメチコン】
アモジメチコンは、ジメチコンの末端にアミノ基を付加した「アミノ変性シリコーン」とも言われるシリコーンです。
原料データからは、上記のジメチコンと比べて毛髪への吸着性が高く、コンディショニング効果の持続性も優れているため、ダメージリペア系のヘアマスクやコンディショナーに多く採用されています。
髪が傷んでいる部分ほど吸着しやすいという性質があるので、ダメージケア向けのトリートメント類には高確率で配合されているかと思います。
【シクロペンタシロキサン】
原料データからは、シクロペンタシロキサン(シクロメチコン)は、揮発性のある低粘度タイプのシリコーンです。塗布後に蒸発する性質があるため、洗い流さないアウトバストリートメントに使われることが多く、軽い質感に仕上がるのが特徴です。
シリコーンの懸念の一つ「ビルドアップ」
シリコーン配合のトリートメントの懸念する一つに「ビルドアップ」という現象があります。
ビルドアップとは、ツヤや指通りの良さを生み出すシリーコーンが、使い続けるうちに不均一に重なってコーティングが厚くなりすぎ、髪が重くなる、ゴワつく、ツヤがなくなる、乾きにくくなるといった状態のことを言います。

えっ!そうなの?
トリートメントしているのに、ゴワつく、ツヤがなくなるの?!
って、思うかもしれませんがこれは明らかな事実です。
シリコーン仕様のトリートメントをやや残し気味に使っている場合はこれが短期間で起きる可能性があります。
このビルドアップの可能性が最も高いのは、「アモジメチコン」のような吸着力の高いシリコーンかと思います。
皮肉なことにダメージケア力が高いトリートメントにはほぼ配合されているシリコーン。
髪のダメージが気になる人ほど、トリートメントをしっかり流さない。
正に、悪のスパイラルが起きているかも知れません。
髪の質感の悪化以外にも、頭皮のかゆみやにおいの原因になることがあるとも言われています。
トリートメントを頭皮からつけている方にはこの可能性も少なくありません。
さらに、ほとんどの方は艶髪を理想としているかと思います。
そのために、トリートメントを使うかと思いますが、シリコーンが重なって蓄積し被膜が厚くなると毛髪表面に凹凸ができ、光の反射が弱まってツヤが失われます。
ここまでの結論としては、トリートメントはダメージ部分から適度な量を使用し、頭皮にはつけない。
髪に馴染ませたら、しっかりと流し切ることがヘアケアの基本ということです。
アモジメチコン配合のトリートメントは全てビルドアップするのか?
ここがシリコーン悪説の最大の誤解ポイントです。
研究の方に確認しましたが、アモジメチコンが配合されているからといって、それを使ったトリートメントが必ずビルドアップを起こすわけではありません。
ビルドアップの懸念は、製品への配合量や使用頻度によって変わるとされています。
言い換えれば、配合量・使用頻度・処方設計という複数の条件が重なったときに起きる現象であり、「アモジメチコンが入っている=即アウト」という単純な話ではないのです。
実際、処方を工夫すれば連続使用によるビルドアップのリスクは抑えられるとも言われており、メーカー側の処方次第でリスクの大きさが変わることが分かります。
ネットでは「アモジメチコン」悪説もあるかと思いますが、筆者の誤解かもしれませんね。
さらに踏み込むと、アモジメチコンには分子量やカチオン化度が異なる複数のグレードの原料が存在します。
カチオン化度が高いほど、また分子量が大きいほど髪への吸着性は高くなり、吸着性が高いほどコンディショニング効果も高まりますが、その分洗髪時に落ちにくくなるという関係があります。
つまり、「アモジメチコン」という成分表示名だけでは、その製品の吸着力や残留性を判断することはできません。
そのため、表示名からカチオン化度や分子量を見分けることはできないので、同じ「アモジメチコン」という名前が記載されていても、原料グレードや処方設計によってビルドアップしやすさは大きく変わるということになります。
ここに、シリコーン悪説を覆す重要なポイントがあります。
配合量の数字だけで良し悪しを判断するのではなく、処方全体としてビルドアップをコントロールできているかどうかが本質的に重要なのです。
つまりは、作り手のこだわりや、処方を組む研究員の経験と知識で大きく変わってくるのです。

髪を総合的に見ているか?手触りだけを見ているか?
ここで一つ判断基準があるかと思います。
それが、美容室専売品なのか?、市販品なのか?です。
美容室専売品の場合は、サロンケアからホームケアそして、サロンケアのサイクルがあります。
つまり、サロンケアではパーマもヘアカラーも行いますので、薬剤反応を阻害するトリートメントはサロンワークに支障をきたします。ビルドアップしてしまうトリートメントは当然NGになりますので、サロン専売品のトリートメントはそのようなリスクが無いように作られている製品が多く存在します。
しかし、市販品はマーケティング要素が強くツヤ、手触り重視のためビルドアップしてしまう可能性が高い製品が多く存在している可能性があります。

いま、ネット検索で簡単に成分情報も入手できる環境で適度に知識を身につけている消費者も増えているようですが、流石にサロン専売品と市販品の差は見抜けることは困難です。
艶髪を目指す方は、先ずはサロン専売品を正しく使うことが安心なのではないでしょうか?